研修病院の選び方について

初期研修

医学部6年生の方はマッチング対策や最後の病院見学に励んでいる頃ではないでしょうか。

マッチング出願倍率全国10位以内の研修病院にて研修をした筆者が初期研修病院の選び方について解説します。

マッチングとは

マッチング制度について

マッチング制度とは研修病院と該当年度に卒業予定の医学部6年生を文字通りマッチングさせるシステムで医学生は任意の病院数を自分の行きたい順番に制度のWEBサイトに記入していきます。そして同様に研修病院も来てほしい学生を順番にWEBに登録していきます。そして最後に一斉に上の順位から学生と病院を繋ぎ合わせていく方式になります。

マッチング模式図

マッチング制度についての詳しい解説はマッチング協議会公式サイトをご覧下さい

マッチングに必勝法はある?

ズバリ、マッチングに必勝法はありません。効率よくマッチングするように人気病院を避けて記入したり、人気順に希望順位を入れ替えたりすることは制度上、意味がありません。

希望する病院を自分が希望している順番に順位付けするのみです。

ただ、アンマッチには注意が必要です。自大学のプログラムが定員割れしているような状況の時には、自大学を一番下に書いておくのもアリです。

もし、その他のすべての病院にマッチしなかった場合はその病院に行かなくてはならないので、同級生の中にはあえて自大学は書かずに二次募集や三次募集に回るという人もいました。

二次募集・三次募集とは?

二次募集:マッチング一次募集でアンマッチ(すべての希望病院とマッチングできなかった状態)の人が参加します。基本的には二次募集をしている(定員割れしている)病院との直接交渉による面接。たいていは面接の1‐2週間後に結果が病院から直接通知され、合格の場合は基本はその病院に就職することになる。この場合は受かってしまったら拒否などできません。

三次募集:一次募集・二次募集でマッチしていた医学生が国試で落ちてしまい、研修医になれなかった場合に研修医の枠が空くため、そこの補充人員としてマッチングをするシステムになっている。意外と人気病院が3次募集を行うこともあります。(必修落ち・禁忌落ちとか)

病院選びで重視したポイント

救急研修が充実している(三次救急あり、救急病棟あり)

まずは救急についてです。救急の主役はやはり研修医。多くの病院でファーストタッチを研修医がすると思います。はじめは見よう見まねですが、徐々に慣れてきて戦力となってきます。そのように研修において重要な位置づけである救急の場。研修病院選びで重視すべきポイントだと思います。

私は三次救急病院で救急病棟がある病院で研修をしましたがその経験は非常に良かったと思っています。二次救急の病院だと内科の先生が持ち回りで当直をしていて、しっかりとした救急科がないことがあります。また重症の症例は基本的に三次救急病院へ転院となってしまいます。

その点、三次救急病院では救急科の指導医や専攻医も豊富で、救急病棟とICUがセットになっていることが多いです。その豊富な救急スタッフからカンファレンスなどでフィードバックを得られたり、最重症の患者さんの経過をカルテで追うことができたりします。研修医のうちにそういった経験ができるのは自分にとってとても貴重なことでした。

志望科の専攻医として病院に残れるか

これは志望科や住みたい場所にもよることだと思いますが、自分の大学の大学病院に戻ることにそれほど魅力を感じていない場合は特に初期研修病院にそのまま残れるかどうか(プログラムがあるか)はとても重要です。

同じ病院で働き続けることのメリットは計り知れません。初期研修時代にお世話になった他科の先生との繋がりもそうですし、カルテ・ローカルルールなどに慣れていることは、3年目以降の働きやすさに直結します。自分の志望科のプログラムについてはマッチングの時点で確認しておきましょう。

見学時の指導医・研修医の雰囲気

やはり給料や立地、ハイパーハイポも大事だと思いますが結局は人だと思います

2年目の研修医は1年間研修してきてどれくらいできるようになっているのか指標になりますし、1年目の研修医は来年以降自分が一緒に働く先輩としてどうかという視点で病院見学の際によく話を聞いて観察しておくとよいと思います。この人たちと一緒に働きたいと思える研修病院であることが重要です。

また、病院見学の際に研修医担当の先生と一度話をしておくとよいでしょう。おそらくその場で「アピールすると面接時に有利になる」ということはないと思います。けれど、研修医時代に一番気にかけてくれて面倒を見てくれることになる先生です。その先生の人柄ひとつで研修の内容が大きく変わるかもしれませんので、必ず確認しておきたいポイントです。

おわりに

いかがだったでしょうか。マッチングを直前に控えた6年生にとっては病院選びのヒントに、5年生にはマッチングってだいたいこんなものだよっていう雑感をとらえられるように、と思ってこの記事を書きました。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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